看護研修会認定委員会

委員会活動

 本委員会は、日本糖尿病療養指導士認定更新のための第1群看護の研修会の主催者申請、および、本学会への共催申請の審査を行っています。
 また、コロナ禍において、集合研修開催が困難となったことから、2021年2月より特例措置として、オンライン研修の認定を開始し、2022年からは恒常的な認定基準といたしました。委員会では、オンライン研修が効果的に実施され、適切に単位を付与するために、検討を重ね、オンライン研修認定申請のコツを作成しました。前委員会が作成した、1群単位の申請方法のコツと合わせて、是非ご活用ください。委員会は、今後も研修開催のお役に立てるよう、認定審査の実施のみでなく、情報提供も実施していく予定です。

研修会開催に関する情報提供

 コロナ禍での研修開催には、企画や運営、実施の判断などで困難な状況も多く、研修開催には多くの不安もあることと思います。また、オンライン研修開催には、まだまだ不慣れな方も多いかと思います。そこで、本委員会では、コロナ禍での研修開催のヒントになる情報提供として、主催者の方々からヒントになる情報をいただきました。ぜひ、ご参考にしてください。

1.【オンライン開催でのグループディスカッションのコツ】

~2021年第2回高齢者糖尿病チーム研修会より~
主催:東海セントレアDM認定ネットワーク 開催日:2021年7月4日(日)

■グループワークのコツ
1)グループワークを進めるうえで工夫した点・改善点

☆事例検討を行ったが、事前にメールにて事例に関する資料を参加者に送り、当日はブレイクアウト機能を利用し、事例検討を行った。また、検討する内容は詳細且つ具体的に、事前に決めておき、ファシリテーターが時間内でそれらを検討できるよう進行し、さらにディスカッション内容の記録のために各グループに書記を1名配置した。くわえて、分刻みでタイムスケジュールを作成しファシリテーターは時間通り進行し、書記がタイムキーパーとしての役割も担い、時間管理徹底に努めた。

☆本セミナーは高齢糖尿病担当チームメンバーが中心となり、企画・運営を行ったが、ヘルプとして参画したファシリテーターらも、事前のミーティングやランスルーに同席することで進行や注意事項、研修のねらいなどを共有したことにより、有効なディスカッションを行うことができたのではないかと評価している。くわえて人員として、ファシリテーター、書記以外に担当者を決めて、ディスカッションの進行状況を見回り・調整を行う、あるいはトラブル時の対応を行ったことで全体の進行はスムーズに行うことができたと考える。

2)グループ分け

☆事前申込み後に、同施設あるいは所属(外来、病棟など)が重ならないよう、互いに学びを得られるよう配慮し、1G5~6名で割り振った。ブレイクアウトは1回のみでメンバーの入れ替えは行わなかった。ファシリテーター自身も画面越しで表情などを確認しながら、参加型を意識した有効なグループワークの進行ができたとの評価をしており、1Gの人数は適切であったと思われる。

■オンライン研修のメリット・デメリット
1)参加者の地区構成
 開催地区だけでなく、関東甲信越、関西、中部、九州など全国から応募があった。

2)参加不正防止策
 ・入退室時間の記録(視聴ログ)の取得。
 ・ビデオを通した点呼による出席確認
 ・キーワードの確認

3)ビデオを通した点呼による出席確認、主催者より発信するキーワード確認等の不正参加防止策を実施するうえでの工夫

☆ビデオを通した点呼については、使用したオンラインシステムのグルーピング機能を使用するなどして問題なく行えた。

☆キーワードについては以下のように実施した。

①提示するキーワードは3つ:プログラムのセクション毎にキーワードを1つ設定し、提示した。(記載間違いを避けるためにも、口頭でなく画面にも提示した。) 特別講演後、一般講演後、グループワーク後の3場面。

②キーワード回答方法:webアンケートシステムを利用し、本研修アンケートとは別で記名にて回答をチェックできるよう工夫した。通信トラブルやチャット機能を使用できないなどを想定し、会終了後、その日に申込時に登録されたメールアドレス宛にキーワード回答用のURLを送信し当日中に返信するよう説明し、フォロー体制をとった。

4)オンライン研修を企画する上で苦労した点

☆事前に2日間、オンラインでの入室練習日を希望者に開放し設定したが、申し込みが直前で入室練習も参加されなかった参加者が当日入室や映像トラブルなどで対応に時間を要した。

☆企画・運営者、サポートファシリテーターでランスルーを実施したが、全員の日程調整が難しく、2日間に分けて実施し、それまでも会議が多く、参加できない関係者は録画したものを視聴するなどしながら、当日運営にあたった。

☆セミナー準備の段階でもオンライン会議であったため、様々な機能を利用しながら打ち合わせを行ったことで、オンライン研修に向けてのトレーニングになった。

☆キーワード、アンケート、アクションプランなど参加者への課題をタイムリーに集計するなどオンライン研修に必要な役割を当日慌てて分担し行った。少ない人数で、時間枠を考慮しながら役割分担する難しさを感じた。

 

2.【現地開催(集合研修)開催のコツ】

~第8回 糖尿病看護実践力開発セミナーより~
主催:糖尿病看護実践力開発研究会 開催日:2021年7月11日(日)

■サテライト会場を設置した開催の工夫点
・セミナー前、及び、当日の各会場の通信状態、映像や音声の状況確認を業者に依頼した
・配布・追加資料、参加証などを事前に準備して各会場に発送した
・各会場に会場責任者を置き、会場責任者に設営などを一任した
・全会場からの意見を集約できるよう、予め発表会場(発表順番)を決めるなど工夫した
・各会場の様子が参加者に伝わるようにカメラや画面の調整を行った
・演者は、希望によりどこからでも参加できるように準備した

■コロナ禍での現地開催のコツ~例年との違い~
1)運営面について
・会場ごとに収容人数設定、ファシリテーターの確保を行った
・役員の所在地区での開催とその地区からファシリテーター選出をした

2)研修会の内容や反応、研修会の効果の面について
・例年通り3部構成のセミナーを開催し、1群4単位を取得できた
 (1部:医師の講演、2部:看護師の講演、3部:演習)
・3部:演習は、各会場内でのディスカッションを発表で共有できた
・参加者の満足度はアンケート結果から9割がとても満足・満足と答えた
・アンケート結果から、本会の目的である”糖尿病看護実践力向上”につなげることができた
・参加者の7割が今後もサテライト会場を設けた研修会の開催を希望した

・本会としても新しい形の研修会開催方法を見出せたと同時に、各地区の役員との連帯感が今まで以上に高まった

■会場での感染対策の工夫
・蜜を避け、対面による対応をできる限り減らす工夫を行った

①事前申込(メール受付)、前金制度とし、会場で金銭の扱いをしない(連絡は業者、金銭の扱いは事務局:会計)

②会場入場時に検温後、一人ずつメールを提示してもらい申込確認を行った

③各会場のスライド画面に感染対策徹底をお願いする文言を掲示し、セミナー開始時に協力依頼のアナウンスをした

④収容人数(役員や業者を含めて)の50%以下を定員とした
⑤昼休憩のお弁当配布を中止、各自持ち込みで黙食に協力してもらった
⑥発表時にマイクを使用したら消毒を実施(若しくはマイク未使用)した
⑦修了証配布時、混雑を避け、間隔を取って並んでもらった
⑧アンケート用紙を用いず、Webアンケートに変更した
⑨各会場に感染対策用品を設置して、繰り返し協力依頼をアナウンスした
⑩参加者には、各自ごみを持ち帰っていただくよう依頼した

■会場を分散したことによるコストの面について

・当日に連絡なく欠席の場合、返金でき兼ねると伝えていたため、急なキャンセルが少なく、収支への影響は少なかった

・各地区の役員と業者が、収支を考えて会場を選定したが、自助運営を行う上で地域差が生じた
・通信は、業者のパソコンやシステムを利用させていただいた
・サテライト開催にしたことで、例年と変わりない参加者数を確保できた

・会場費について、例年のメイン会場のみから、サテライト会場を設けたため、昨年度の1.5倍の費用が発生したが、演者や役員の交通費・宿泊費が削減できたため、収支はプラスであった

■その他
・業者との共催であり、多大な協力があったため開催できた点が大きい
・事務局・会計を担う役員の負担軽減のため看護職以外の助けがいる