研修推進委員会は、平成28年10月~平成30年9月までに任期で新しい委員にて活動しています。
当委員会は、糖尿病看護実践の質向上を目指して、会員および糖尿病看護に携わる看護職の皆さまへの研修会の企画・実施をしてまいります。診療報酬改定に伴ったDM重症化予防のための研修(フットケア・糖尿病透析予防支援など)の主催・共催・共同企画の管理を行ってまいりました。
主な研修内容
1.糖尿病重症化予防(フットケア)研修・ブラッシュアップ研修
平成20年の診療報酬改定で「糖尿病合併症管理料」が新設されました。
本研修は、糖尿病看護におけるフットケアの意味を正しく理解し、フットケアの技術を学び、糖尿病患者のQOL向上に向けて、具体的な働きかけが出来る人材を育成することを目的としています。本研修は、糖尿病合併症管理料を算定するための看護師の施設基準の要件に必要な「適切な研修」です。『糖尿病重症化予防(フットケア)研修』は、平成20~30年3月末で主催24回、共催38回、共同2回を実施し、主催研修受講者が1112名となりました。
平成30年の診療報酬改定において、「糖尿病合併症管理料」の施設基準の看護師要件が糖尿病足病変患者の看護に従事した経験を5年以上有する専任の看護師となり、非常勤看護師も可能となりました。このため、糖尿病重症化予防(フットケア)主催研修の看護師受講要件、共催研修の要件と申請方法を改正しました。詳細は、こちらをご参照ください。
本研修終了者の方には、事例検討、自分自身のフットケア実践の振り返り、知識と技術の充足、フットケアシステムの促進など、ブラッシュアップ研修も実施しております。『ブラッシュアップ研修』は、平成25~30年3月末で7回を実施し、研修受講者が232名となりました。
さらに、糖尿病看護を専門とする看護師の実践知を集約し、より実践に即した患者のセルフマネジメントに視点をあてたフットケアの評価尺度を開発に取り組み、「外来糖尿病患者のフットケアにおけるセルフマネジメント評価尺度の開発 - 糖尿病合併症管理料によるエビデンス集積に向けて- 」をJADEN22で発表いたしました。今後は、尺度を洗練し、多くの看護師の皆様に尺度を使っていただき、糖尿病合併症管理料によるエビデンス集積につながればと思います。
2.糖尿病透析予防支援研修
平成24年の診療報酬改定で「糖尿病透析予防指導管理料」が新設されました。
本研修は、糖尿病チーム医療において、糖尿病腎症第2期以降の患者に対し腎症悪化予防支援に携わっている専門職者を対象とし、その支援の質向上を図る事を目的としています。『糖尿病透析予防支援研修本研修』は、平成26~30年3月末で6回を実施し、研修受講者が344名となりました。
3.高齢糖尿病患者研修(インスリン療養支援)
本研修は、高齢糖尿病患者の増加に伴い、平成29年より新企画として高齢者の特徴について理解を深め、高齢糖尿病患者がその人らしい療養生活が送れるように、病院と地域との協働したインスリン療養支援の在り方について考えることを目的としています。『高齢糖尿病患者研修』は、平成29~30年3月末で1回を実施し、研修受講者が57名でした。
今後も、糖尿病看護実践の場に軸足をおいて、糖尿病医療全体を視野にいれながら、患者に関わる看護職の皆さまへの看護実践の知識と技術の向上に貢献できるよう努力していきます。