特別委員会

設置の趣旨

 特別委員会は平成18年に活動を開始しました。当委員会は、糖尿病看護を取り巻く社会情勢や医療体制の動向に速やかに対応し、糖尿病看護の質向上に貢献するという本学会の目的を果たす位置づけにおいて活動をしております。
 以下、今期の活動を紹介しております。併せて前期までの活動についても紹介し、本委員会が時勢の問題に対応して活動してきた経緯の資料として、ご覧いただければ幸いです。

今期(法人第15期)の委員会活動

 JADEN5か年計画重点目標(2022 年~2026 年)の「糖尿病教育・看護の有資格者支援」として研修会の企画、「デジタル社会にむけた糖尿病教育・看護の対応準備」として、糖尿病がある高齢者に対するデジタルツールを活用した支援や医療者の準備等の普及に関する活動をしています。
 またJADEN5 か年計画重点目標(2017年~2021年)の1つであった「超高齢社会に向けた基盤整備」事業を継続し、地域で生活するインスリンを使用する高齢糖尿病患者への支援について聞き取り調査や、全国高齢者施設看護師会と共催で介護施設に勤務する看護師等を対象に研修会を企画しています。更に、看護研修会認定委員会と協働して、糖尿病がある高齢者への看護についてe-learning教材の作成をしています。

今までの委員会活動

 平成18年に厚生労働省が「専門分野(がん・糖尿病)における臨床実践能力の高い看護師の育成強化推進事業」に着手したのを受け、特別委員会「糖尿病に強い看護師育成支援」が設置されました。この事業は自治体が中心となり、中核的医療機関において40日間の臨床実務研修を行なうというものです。特別委員会は、この研修が各地で広く行われるように呼びかけるとともに、基準となる研修プログラムを策定し、テキストを発刊しました。その業務は平成20年度に政策委員会に移行しました。

 平成20年に新設された糖尿病合併症管理料は、糖尿病の重症化予防のためのフットケアに対し170点の診療報酬が認められたものです。これを受け、特別委員会は「糖尿病重症化予防(フットケア)研修推進委員会」として、研修標準プログラムを作成し、予防的フットケアに関わる看護職を対象に研修会を行ってきました。また、研修標準プログラムの評価・修正を重ね、支援の質向上を推進する活動を展開してまいりました。現在、これらの業務は平成24年(本法人第3期)に研修推進委員会へ移行しました。

 平成24年度の診療報酬改定により、糖尿病腎症悪化予防に対する支援をチームで行った場合の評価として、糖尿病透析予防指導管理料350点の診療報酬が新設されました。これを受け、本学会では速やかにワーキンググループを立ち上げ、「平成24年度診療報酬新規評価 糖尿病透析予防指導管理料―チーム医療における看護の役割―」「糖尿病腎症各期における看護のポイント」を作成し、HPに掲載しました。引き続き、糖尿病透析予防に関しても、特別委員会活動として、これらのブラッシュアップに努め、質向上のための研修の標準プログラムを作成し、研修を行ってきました。また、糖尿病透析予防指導管理料に関連する支援チームにおける現状と課題の調査およびその対策の検討に取り組んできました。この糖尿病透析予防に関する活動は、平成26年(本法人5期)から、研修推進委員会に移行しています。

 また、糖尿病腎症悪化予防のため、「糖尿病看護 フットケア技術」の見直しを行い、令和5年に「糖尿病看護フットケア技術 第4版」を刊行し、フットケア研修会等でのテキストとして活用し、セルフケアの視点から糖尿病看護におけるフットケアの考え方や知識・技術の普及に努めています。

 平成26年6月に「特定行為に係る看護師の研修制度」が創設され、 平成27年年10月より研修制度が開始されました。 平成26年(5・6期)では、看護師による特定行為研修制度に対し、本学会でどのように関わるべきかを検討しました。実際に特定行為研修を行っている看護師の活動を紹介し、各施設が抱えている問題等意見交換も行いました。

 平成25年に発行された「災害マニュアル」の見直しを第9期から第11期まで行い、令和2年に「改訂版 災害マニュアル」を学会ホームページに掲載しました。

 令和5年(13期・14期)には、高齢糖尿病患者の課題について11の内容を明確化し、課題と課題に対する看護について、HPに掲載しました。

 第14期には、糖尿病患者があらゆる診療科に存在していることから、糖尿病看護になじみの少ない看護師を対象に、基本的な糖尿病看護の知識や技術をまとめた「糖尿病看護スタンダード」を照林社から発刊しました。有資格者支援として、臨床に所属する著者のいる施設に、刊行した「糖尿病看護スタンダード」を学会から進呈しました。